オールイングリッシュ授業高校

オールイングリッシュで授業を行う高校って?

オールイングリッシュ授業高校

 

平成21年の教育指導要領が改定で基本的に英語の授業は英語で行うことが明記されました。

英語に関する各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するものとする。

この改定は、単に先生側からの説明を全て英語にするのが目的ではなく、生徒に英語で話させる機会を多くするという狙いです。今まで「日本の英語教育は古い、ガラパゴス化している!」と批判を受けても全く変えてこなかった政府ですが、ここに来て急進的で野心的な改定を行ったということです。ですので、学校の現場からは「いきなりそんなの無理だ!現場を知らないくせに!」などの抵抗が現在でもあります。

 

なので、政府も上で引用した部分に「基本とする」という表現を使っています。つまり、ある程度現場の判断に任せています。英語教育を無茶苦茶にしたという批判を受けたくないため、責任を回避した表現とも言えます。実際、完全に英語だけで行っているところもありますが、学校、先生によっては、日本語を交えて行っているところも多いようです。

 

完全に英語で行えていないところは、先生の実力不足もあります。政府が目標としている高校英語教師の英検準一級以上の保持者比率75%を、2014年の調査では55.4%と大きく下回っている状況です。

 

英検準1級、教員には高いハードル 文科省調査

 

とはいえ、単純に先生だけの問題だけではなく、生徒の理解力不足もあります。中学まで、英語を日本語を使って学んできた生徒が大半で、文法用語も日本語で覚えています。「形容詞」と呼ばれていたものが急に「adjective」などと先生が言い出しても、生徒からしてみれば全く何のことかわかりません。そういったことは、より優しい英語でくどくどと説明するより、日本語で「形容詞のことだよ」と教えてあげた方が速いです。実際、オールイングリッシュ授業に関する先生の悩みナンバーワンは、「文法の説明に困る」というものです。

 

賛否両論ありますが、個人的には高校の英語授業をオールイングリッシュで行うことは、より早く英語の「音声」に触れさせるという意味で非常に良いことだと思っています。今までの英語教育は「音声」を無視しすぎてきました。日常会話すらできなくても、東大、京大、早慶などの日本を代表する一流大学に合格できてしまう、というのはどう考えてもおかしいです。

 

ですが、この流れが今後も続くかどうかは未知数です。というのは政府の教育改革というのは、何度も失敗してきました。「ゆとり教育」も今はやめてしまっています。

 

ゆとり教育は、大学入試と連動していないという欠陥があったからかもしれません。ゆとり教育の目的は、従来の暗記型、インプトット型偏重を止め、発想力やコミュニケーション能力と言ったアウトプット型能力を伸ばす方向にシフトすることだったと思いますが、多くの人が重視する大学入試では、相変わらず暗記型の学力を試す内容のままでした。大学入試に使えないなら勉強しても意味ない、と考えてしまう人が出てきてしまうのは仕方がないことではないでしょうか。

 

ゆとり教育の反省を踏まえたのか、今回の英語に関する改革では、大学入試もターゲットになっています。今のセンター試験に相当する試験に、2020年からリスニングとスピーキングを必須にすることになっています。また、各大学の試験にも会話の試験を導入することを促していますし、リスニング、スピーキングのある外部検定試験を使えるようにする施策が行われています。

 

すでに、早稲田、上智、立教、青山といった有名大学で外部検定試験で一定スコアを取れば、英語の試験が免除されるという施策を行っています。

 

この大学入試の変化の流れは今後どんどん広がっていくと思われます。それについては下の記事で書きましたのでご覧ください。

 

大学入試改革英語|2020年の改革で実際何が変わるの!?


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